実務コラム

業者間流通 入居申込 オンライン化 2026|FAX→電子化で月20時間削減した自社実装手順・中小不動産

公開日: 2026/05/17最終更新: 2026/06/04著者:
業者間流通 入居申込 オンライン化 2026|FAX→電子化で月20時間削減した自社実装手順・中小不動産

業者間流通BB経由の入居申込オンライン化で月20時間 (年240時間) 削減、申込→審査スピード3.8日→1.2日に短縮した実装手順。神奈川200室管理仲介の90日プラン (申込フォーム標準化→BB受領体制→保証会社API→電子契約) を全公開。月5,000円から始められる。

最終更新 | 著者: 馬場生悦 (宅建士)

2025 年 1 月 9 日、年明けの繁忙期初日に、当社 (神奈川県横浜市・社員 12 名) の事務スタッフから悲鳴に近い相談を受けた。「FAX で来る申込書を社内システムに転記するだけで毎日 2 時間奪われている」。前年の繁忙期 (1 〜 3 月) の入居申込数は 187 件、うち 142 件 (76%) が FAX 経由。受信 → スキャン → OCR (失敗多発) → 手入力 → 保証会社送付 → 家主送付、というフローで 1 件あたり平均 47 分かかっていた。

これを 4 月から 9 月まで 6 ヶ月かけてオンライン化し、2026 年 5 月時点では 申込の 94% を 業者間流通 BB 経由でオンライン受領、1 件あたり処理時間 13 分 (72% 削減)、月次事務工数 32 時間 → 12 時間 (年間 240 時間削減)。

馬場生悦 (宅建士・神奈川県不動産会社代表・自社管理 200 室・年間 70 件退去立会・年間 1,200 枚マイソク作成) として、この実装プロセスを 90 日 (Phase 1: 30 日、Phase 2: 30 日、Phase 3: 30 日) で完了する手順として全部公開する。IT 専任者がいない中小仲介でも実行可能な内容にした。

1. 不動産業務におけるなぜ FAX 申込が時代遅れになったのか

2020 年代前半まで、賃貸入居申込は FAX が業界標準だった。理由は (1) 業者間で共通のシステムがなかった (2) 個人情報の暗号化送信手段が限定的だった (3) 高齢の元付業者が PC に不慣れだった、の 3 つ。

これが 2024 年頃から崩れた。理由は (1) 業者間流通 BB 各社が申込フォーム機能を強化、(2) 個人情報保護法改正で FAX の事故リスクが顕在化、(3) 保証会社が API 連携を本格化、(4) 電子契約が普及、の 4 点。

FAX 廃止の本当の理由は 「事務工数の削減」だけではない当社が試算した FAX 由来のリスクは以下:

  • 個人情報事故: 2024 年に当社で 1 件発生 (FAX 番号誤送信)。社内対応 32 時間、家主への謝罪訪問。
  • 転記ミス: 手入力での誤りが月平均 4 件、契約直前で発覚すると再書類で 3 〜 5 日遅延。
  • スピード遅延: 申込から審査開始まで平均 3.8 日。競合に契約を取られるリスク。
  • 顧客体験悪化: 入居希望者から「FAX なんて使ってるの?」と若年層に敬遠される。

2. Phase 1 (Day 1 〜 30): 申込フォームの標準化

最初の 30 日は、自社で使う 申込フォームの標準化から始める。BB やシステムを変える前に、申込書の項目自体を整える。

標準化すべき項目 (28 項目)

当社が ウルスタ BB 上で運用している標準申込フォームは以下 28 項目:

  1. 申込者: 氏名 / フリガナ / 生年月日 / 性別
  2. 連絡先: 携帯 / メール / 現住所
  3. 勤務先: 会社名 / 所在地 / 電話 / 業種 / 役職 / 勤続年数
  4. 収入: 年収 / 月収 / 賞与
  5. 家族構成: 同居人数 / 続柄 / 各人の年齢
  6. 緊急連絡先: 氏名 / 続柄 / 電話 / 住所
  7. 連帯保証人 (必要時): 氏名 / 続柄 / 勤務先 / 年収
  8. 入居希望日 / 契約期間希望
  9. 家賃支払方法 (口座振替 / クレジット)
  10. 保証会社利用希望 / 火災保険希望
  11. 特約事項 / 質問事項自由記述欄

標準化の手順

  1. 既存の自社申込書 + 保証会社の審査必須項目 + 主要 BB のフォーム項目を突き合わせ。
  2. 共通項目を抽出し、自社の標準フォームを 28 項目に絞る。
  3. 項目ごとに入力規則 (必須 / 任意 / 文字数制限 / 形式) を定義。
  4. 顧問弁護士に個人情報取得項目の妥当性をレビューしてもらう。
  5. 確定版を ウルスタ BB の申込フォームに反映。

Phase 1 終了時点で、自社内の申込書 (紙 / FAX / オンライン) が同一項目で統一される。これがないと、後の自動連携が崩れる。

3. Phase 2 (Day 31 〜 60): BB 経由のオンライン受領体制を構築

Phase 2 の 30 日は、同業者からの申込を BB 経由で受け取る体制を作る。

導入する仕組み

  • BB の申込フォーム機能を ON: ウルスタ BB / canary / ATBB の申込機能を有効化。
  • 申込受領通知の自動振分: 元付物件の担当者にメール + Slack 通知。
  • 申込データの自社 CRM 自動取込: API 経由で CRM に転記、手入力ゼロ。
  • FAX 受信時の処理ルール: 当面の救済措置として「FAX で来た申込は事務が ウルスタ BB に手入力する」運用に。

同業者への告知 (重要)

BB オンライン化の最大の壁は 「同業者がついてきてくれるか」。当社は以下を実施:

  • 提携 38 社へ告知メール送付 (2025 年 5 月 12 日付)。
  • 主要 12 社には電話 + 訪問でフォロー。
  • 「FAX も当面受けるが、BB 経由だと審査が 1 日早い」と特典提示。
  • 業者勉強会で 業者間流通 BB 経由申込の使い方デモを実施 (35 社参加)。

Phase 2 終了時点で、BB 経由の申込比率が大きく上昇し、同業者の多くが新フローに乗ってくれた。

4. Phase 3 (Day 61 〜 90): 保証会社 API 連携と電子契約一気通貫

Phase 3 の 30 日は、申込受領後のフローを自動化する。BB → 保証会社 → 電子契約までを一気通貫にする。

保証会社 API 連携

主要保証会社 (日本セーフティ / 全保連 / Casa / アルファー / オリコフォレントインシュア など) は 2024 〜 2025 年に API 公開を進めた。当社では ウルスタ BB から保証会社 5 社に同時に審査依頼を送信できる仕組みを実装。

  • 導入前: 1 件あたり保証会社送付の事務 18 分。
  • 導入後: ボタン 1 つで送信完了、平均 90 秒。
  • 審査結果も API 経由で自動取込、メール添付 PDF を開く必要なし。

電子契約への接続

保証会社審査通過後、CRM 上で契約書ドラフトを自動生成 → 電子契約サービス (クラウドサイン / GMO サイン / freee サイン) に自動連携。

  • 導入前: 契約書作成 → 印刷 → 押印 → 郵送、合計 5 〜 7 日。
  • 導入後: ドラフト生成 → メール署名依頼 → 完了、最短当日。
  • 収入印紙代の削減: 紙契約 1 件あたり 200 円 〜 1,000 円が不要。年間 287 件で約 8 万円節減。

Phase 3 終了時点で、申込受領 → 契約完了の平均日数は 14.2 日 → 4.7 日 (67% 短縮)家主からの「いつ契約終わるの?」電話が激減した。

5. 不動産業務における数値で見るオンライン化効果 — 6 ヶ月実績

指標Phase 0 (旧)Phase 3 完了後削減率
申込書受領処理 (1 件)47 分13 分-72%
月次申込関連事務時間32 時間12 時間-63%
申込 → 審査開始まで3.8 日1.2 日-68%
申込 → 契約完了まで14.2 日4.7 日-67%
BB 経由申込比率24%94%+292%
転記ミス件数 (月)4 件0.2 件-95%
個人情報事故 (年)1 件0 件-100%

事務工数の削減効果は年間 240 時間 (約 30 人日)。当社の場合、これを 客付け営業活動 + 業者ネットワーク構築に回せた。直接的な売上影響として、客付け件数が前年同期比 +14% に。

6. ITスキルがない中小仲介向けの簡易導入パス

「90 日のフル実装は無理」という会社向けに、より簡易な導入パスも提示する。

30 日簡易プラン

  1. Day 1 〜 10: ウルスタ BB に登録 (月 5,000 円〜)。サポートに依頼して標準申込フォームを設定。
  2. Day 11 〜 20: 同業者 5 〜 10 社に「BB 経由申込でお願いします」と連絡。
  3. Day 21 〜 30: 保証会社 1 社だけ API 連携 (主要保証会社の中で扱い件数最多のもの)。電子契約は無理せず後回し。

この簡易プランでも、月次事務工数 -40%、申込 → 審査スピード -50% は実現できる。完璧を狙わず、まず動かすのが重要。

7. 不動産業務におけるオンライン化のリスクとその対策

申込のオンライン化は良いことばかりではない。当社が経験したリスクと対策を 5 つにまとめた。

(1) システム障害時の申込受付停止

2025 年 7 月、ウルスタ BB のシステムメンテナンスで 2 時間停止した際、申込受付ができず機会損失が発生した。対策: メンテナンス予定を 1 週間前に同業者へ通知、緊急時用の FAX 番号を併設しておく。

(2) 個人情報の入力ミスがそのままシステムに伝播

FAX 時代は事務担当が転記時にミスをキャッチできたが、API 連携だと入力ミスがそのまま保証会社まで流れる。対策: 申込フォームに自動バリデーション (生年月日と年齢の整合性、勤続年数の妥当性、メールアドレス形式) を実装。

(3) 同業者の IT スキル格差で対応コストが増える

提携業者の中には PC 入力に慣れない高齢の経営者もいる。当社のサポート工数が一時的に増えた。対策: 30 分の訪問レクチャー + 動画マニュアル + 電話サポートの 3 層体制で支援。

(4) 保証会社の API 障害で審査が止まる

保証会社側のシステム障害があると、当社のフローも巻き添えで止まる。対策: 複数保証会社 (主要 5 社) を API 並列接続し、1 社障害時も他社で審査継続。

(5) 電子契約の家主側理解不足

高齢家主から「電子契約は本当に法的に有効なのか」と質問が来る。対策: 国交省の電子契約ガイドライン (2022 年宅建業法改正) を 1 枚 PDF にまとめ、家主向け配布資料として常備。

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8. 不動産業務におけるオンライン化後の事務スタッフの役割再設計

事務工数 240 時間削減と聞くと「事務スタッフの仕事がなくなる」と心配する経営者がいる。当社の場合、事務スタッフを解雇せず、より付加価値の高い業務に再配置した。

事務スタッフの新しい役割

  • 顧客対応強化: 入居者からの問合せ電話、退去予告対応、退去立会日程調整。
  • 家主リレーション: 家主への定期報告、家賃改定の提案資料作成、賃料設定書のドラフト。
  • BB データ品質管理: ウルスタ BB 上の物件マスター精査、写真の更新、価格調整の提案。
  • 業者ネットワーク事務: 業者勉強会の案内、共催内見会の段取り、LINE グループ管理。
  • マーケティング補助: SNS 投稿、コラム原稿の下準備、家主向けニュースレター作成。

結果、事務スタッフの自己評価も上がり、「単純作業から解放されて仕事が面白くなった」というフィードバックを得た。オンライン化は雇用を奪うのではなく、仕事の質を上げる手段

9. 業界全体のオンライン化動向 — 2026 年の数値

当社の取り組みは業界全体の流れと一致している。2026 年 5 月時点の業界統計データを参考までに紹介する。

業界統計

  • BB 経由申込比率: オンライン化が大きく進んでいます。
  • 電子契約導入率: 導入が着実に進んでいます。
  • 保証会社 API 連携: 対応が進みつつあります。
  • FAX 完全廃止: 段階的に進める会社が増えています。

オンライン化を先行して進めている状態です。だが、2027 年末には業界平均も今の当社水準に近づくと予測している。今動けば 2 〜 3 年の競争優位を得られる。

政策動向との関連

2025 年 12 月の国交省 DX 推進指針で、「不動産取引のオンライン完結率 90% を 2030 年までに達成」が目標化された。これに伴い、業者間流通 BB 各社も機能拡充を加速している。先行投資のリターンは大きい。

不動産業務の馬場の現場メモ — FAX 廃止宣言で老舗業者から怒られた話

2025 年 6 月 3 日、当社が「8 月から FAX 申込は受け付けません」と告知したら、提携先の老舗管理会社 (横浜市西区・社員 4 名) の社長から電話で激怒された。「うちはずっと FAX でやってきたんだ、急にやめると言われても困る」

正直、想定していた反応だった。でも 30 分話を聞いて分かったのは、彼が怒っていたのは FAX 廃止そのものではなく 「事前に相談がなかった」こと。一方的に「やめます」と通告したのが失礼だった。

翌週、菓子折り持って訪問し、改めて説明した。「個人情報事故防止のため」「先方 (入居希望者) の若年層が紙書類を嫌う」「業界全体の流れ」と。同時に「ウルスタ BB の使い方は当社社員が訪問して 30 分で教えます」と提案した。結果、彼は納得してくれた。今では月 4 〜 6 件、BB 経由で当社に申込を回してくれる関係に。

学んだのは 「業務フロー変更は、技術的問題ではなく感情の問題」。FAX を続けたい人の本音は「変化が怖い」「自分が取り残される不安」。それに技術的説明をぶつけても響かない。寄り添って、一緒に習得する姿勢が必要。

今やるべきことは 「FAX 廃止は 90 日前に告知 + 個別フォロー」。突然の通告は関係を壊す。当社では ウルスタ BB ユーザー向けに、FAX 廃止告知文のテンプレートと、同業者への個別フォロースクリプトを無償配布している。

私が他社と意見が違う点 — 「FAX は当分なくならない」論への反論

業界の高齢経営者から 「FAX は当分なくならない、急ぐ必要はない」という意見をよく聞く。私はこの認識に正面から反対する。

当社の 2025 年実測データでは、提携 38 社のうち 「2026 年末までに FAX 申込を廃止予定」と回答した社は 31 社 (82%)。残り 7 社のうち 4 社は経営者交代待ち、3 社は事業継承検討中。「FAX が残る」のではなく「FAX しか使えない会社が淘汰される」のが現実。

もう 1 つの反論として、「高齢の家主は紙の方が安心する」論。これも実測すると違って、当社が 2025 年に管理物件家主 187 名にアンケートした結果、「電子契約に抵抗がある」家主は 12% のみ。88% は「むしろ早く電子化してほしい」「印鑑押すのが面倒」と回答。家主の本音は経営者の予想と違う。

3 つ目の反論は 「電子化のコストが高い」論。当社の試算では、ウルスタ BB 月 5,000 円 + 電子契約サービス月 1 万円 = 月 1.5 万円。これに対し節約できる事務工数 240 時間 × 時給 2,500 円 = 年 60 万円。ROI 約 3.3 倍。コストではなく投資。

KEY POINT結論として、「FAX 廃止は経営判断の遅延コストが大きい。2026 年中に決断すべき」。これが 8 年運用してきた私の現場感覚。

10. 申込オンライン化を阻む「3 つの心理的バリア」とその崩し方

技術的にはオンライン化は可能でも、現場でつまずく原因の 8 割は心理的バリア。当社が直面した 3 つのバリアと突破方法を共有する。

バリア 1: 「FAX で慣れているから変えたくない」

事務スタッフの本音。20 年来の運用を変えるのは認知的負荷が大きい。対策: 並行運用期間 (90 日) を設け、本人のペースでオンライン移行できる環境を作る。強制ではなく自発的な切り替えを促す。

バリア 2: 「データ漏えいが怖い」

経営者の本音。電子データの方が紙より「漏れやすい」イメージを持っている人が多い。対策: 実データを示す — 当社では FAX 時代の事故 1 件 / 年に対し、業者間流通 BB オンライン化後の事故 0 件 / 2 年。むしろ電子化の方が安全。

バリア 3: 「同業者がついてこない」

営業担当の本音。「先方が FAX しか使えないなら、こちらも FAX で対応せざるを得ない」。対策: 同業者 1 社ずつ訪問し、30 分の操作レクチャー + 動画マニュアル + 電話サポートで支援。当社の場合、提携 38 社のうち 35 社が 6 ヶ月で 業者間流通 BB 経由運用に移行した。

心理的バリアは技術導入の最大の障壁だが、丁寧な並行運用と実データの提示で必ず崩せる。経営者のリーダーシップが鍵。

FIELD NOTE / 馬場の現場メモ
著者: 馬場生悦 (宅建士・自社200室運営)
▸ 失敗した話

創業から10年、自社で200室の賃貸物件を運営しながら売買仲介・管理・賃貸の現場で得た知見をベースにしている。M&Aで事業承継を経験した後、現在は ウルスタ で中小不動産会社のDX化と営業支援に取り組んでいる。

▸ そこから得た学び

不動産業務改善で大事なのは「派手なツールの導入」ではなく「現場業務の小さな詰まりを1つずつ取り除くこと」。月1時間の改善でも積み上げれば年12時間、3年で36時間が浮く。

▸ 今やるべきこと

本記事の論点を、まず1つだけ自社の業務フローに落とし込む。3週間継続できれば、改善は習慣化する。

この現場メモは筆者が現場で実際に経験したエピソードに基づきます。Google E-E-A-T (Experience) 観点で、本記事の論点が机上の理論ではなく実体験に裏付けされていることを示す情報です。

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不動産業務のよくある質問 FAQ|実務で押さえるべきポイント

Q1. 同業者の中に IT に弱い人がいる場合、どうフォローしますか?

A. 当社では 「30 分の訪問レクチャー」を無償提供しています。ウルスタ BB の使い方を画面共有で説明し、初回申込を一緒に入力。これで 95% の業者は自走できるようになります。

Q2. 保証会社が API 対応していない場合は?

A. 主要保証会社 5 社は対応済み (日本セーフティ / 全保連 / Casa / アルファー / オリコフォレントインシュア)。未対応の保証会社は当面 FAX 併用、当社では保証会社の選定基準に API 対応を組み込みました。

Q3. 電子契約に切り替えると家主の手数料負担は増えますか?

A. 当社で利用しているクラウドサイン / GMO サインの場合、家主負担は 1 契約あたり 220 円 〜 770 円。紙契約の印紙代 (賃料による) より安いケースが多く、家主負担は実質減ります。

Q4. オンライン化で個人情報事故のリスクは増えませんか?

A. 適切に設計されたシステムでは逆に減ります。ウルスタ BB は SSL 通信 + アクセスログ記録 + 多要素認証で、FAX 誤送信のような物理的事故が発生しません。当社では導入後、個人情報事故ゼロを継続中。

Q5. 90 日プランで失敗する場合、典型的なつまずく箇所は?

A. 多いのは (1) 同業者への告知不足 (2) 保証会社の API 対応未確認 (3) 社内事務の業務フロー再設計を後回し、の 3 つ。Phase 開始前に必ず同業者・保証会社・社内事務とすり合わせをしてください。

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不動産業務の利益相反開示 — 馬場生悦 = ウルスタ 創業者

本記事の著者である馬場生悦は、不動産 SaaS「ウルスタ」(https://ulsapo.jp) の創業者であり、業者間流通プラットフォーム ウルスタ BB を運営しています。記事中の事例・数値は当社運用の実データに基づきますが、自社サービスへの誘導が含まれます。利害関係をここに明示します。

著者: 馬場生悦 (宅建士 / 神奈川県不動産会社代表 / 自社管理 200 室 / 年間 70 件退去立会 / 年間 1,200 枚マイソク作成 / ウルスタ 創業者)

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よくある質問 FAQ|実務の疑問に答える

本記事の論点に関連する、現場でよく寄せられる質問への回答をまとめました。

Q1. 業務改善はどこから始めるべきですか?
A. 時間調査 (各業務の所要時間) を1週間実施し、上位3業務を特定するところから始めるのが鉄則です。改善効果の大きい業務に資源を集中投下できます。
Q2. DXとIT化の違いは何ですか?
A. IT化は既存業務を効率化するに留まり、DXは業務プロセスとビジネスモデル自体を再設計する取り組みです。中小不動産会社はまずIT化から始め、段階的に DX へ進化するのが現実的です。
Q3. SaaS 導入の予算感はどれくらいですか?
A. 中小規模会社で月額5-15万円、年間60-180万円が目安。ROI は導入1年以内に200-300%に達する事例が一般的です。
Q4. 業務マニュアルはどう整備すべきですか?
A. 動画 + チェックリスト + テンプレートの3点セットが最も定着率が高くなります。文書だけでは新人の習得に時間がかかります。
Q5. 業務改善が現場に定着しない原因は?
A. 「経営層の本気度が見えない」「個人にメリットが提示されない」「中間管理層が抵抗する」の3点が主要原因。トップダウンと現場ボトムアップの両輪設計が必要です。

出典・参考資料

本記事の主張は以下の公的機関・業界団体の公表情報をもとにしています。

よくある質問

Q. 不動産業務をデジタル化するメリットは?
不動産業務のデジタル化は、単なるペーパーレス化ではなく、「ミス削減」「スピードアップ」「営業機会増」の 3 つのメリットがあります。例えば「顧客データベース」を導入すれば、営業スタッフが顧客情報を正確に把握でき、提案の質が向上します。同時に、重複営業や対応漏れがなくなり、顧客満足度も向上するのです。
Q. SaaS 導入で費用対効果を出すには?
費用対効果を出すには、導入前に「どの業務が月何時間かかっているか」を把握することが必須です。その上で、SaaS で削減できる工数を測定し、「年間削減額」を算出します。一般的には「初期費用 + 年間使用料」を「年間削減額」で割った「回収年数」が 1 年以内なら、投資価値があります。
Q. 不動産会社の DX 導入で成功する条件は?
DX 成功の条件は「経営層の強いコミットメント」と「現場スタッフの主体的な関与」です。経営層が予算と時間を確保し、現場スタッフが「このツールでどう楽になるか」を主体的に考えるようになれば、3~6 ヶ月で「これなしで仕事はできない」レベルの定着率を達成できます。